
クイックステップとは
The History Of Quickstep
20世紀初頭、現在のように「クイックステップ」と「フォックストロット」の区別はなく、ひとつのダンスとして踊られていました。1923年、アメリカの有名なダンスバンドが渡英します。このバンドは非常に速いフォックストロットを伴奏し人気を集めました。この傾向は翌年も続き、競技会でも速いフォックストロットと、遅いフォックストロットの差が表面化するようになりました。速い伴奏ではフォックストロットに欠かすことのできないスリーステップを心地よく踊ることはできず、全く異なる2種類のフォックストロットが踊られるようになります。そのため、スタートしたばかりだったイギリスのダンス競技会は混乱状態に陥りました。1924年、イギリスのダンス教師協会は競技上のこの問題を解決するため、クイック(ステップ)とスロー(フォックストロット)のふたつの種目に分けることになります。
一方で、1925年に世界中の都市で「チャールストン」が大流行します。当初、チャールストンは、社交ダンスの新しい種目になる可能性があるものとして扱われていました。このことは、速いフォックストロットが「クイックタイム・フォックストロット&チャールストン」と呼ばれていたことからも分かります。しかし、チャールストンは限られた場所で、他のカップルを邪魔してしまうため進歩が難しく、次第にクイックステップの中に吸収されていくことになります。今もクイックステップで用いられるフィガーの名称に「チャールストン」という名が残っていますが、クイックステップを生み出すまでの繋ぎとしてその役目を果たし、チャールストンの歴史は終わりを告げたのでした。
現在では、フォックストロットとクイックステップの踊りの違いははっきりとしたものになっています。フォックストロットは、4つの標準フィガー「ウォーク」「スリー・ステップ」そして2つのオープン・ターン「ナチュラル・ターン」「リバース・ターン」の上に成り立っています。このダンスの発展は、流れるようなコントロールされた動きで古典的なスタイルです。クイックステップは、ワルツのクローズド・ターン、フォックストロットのオープン・ターン、そしてフォックストロットのゆったりした動きから省かれたシャッセを基礎として成り立っています。
音楽と代表曲
音楽の拍子記号は4/4で1小節は4拍から構成されます。「強拍、中強拍、弱拍、弱拍」のリズムで
1234 2234 3234 4234 ・・・
とカウントします。「弱拍、強拍、弱拍、強拍」といったオフビートにアクセントを持つ曲もあります。
2拍をS(スロー)、1拍をQ(クイック)とし「QQ S 」が基本のタイミングとなります。
代表曲:『A列車で行こう』 『Sing Sing Sing』 『Blow Gabriel Blow』